バックパッカー ベッドディスカッション 議論についていけない・・・

  
バックパッカーホステルの現実は超短期の素泊まり客を高回転でまわしていく。ドームルームで同じルームメートが一緒に寝泊まりする最高日数は私が見た限り3日。一日立てば誰かがいなくなり、誰か新しい人が入ってくるか、自分以外全員いなくなり、入れ替わるか。だいたい長期でホステルに滞在している人は現地の失業者か、仕事を探しているバックパッカーが多い。長期と言っても一週間立てばだいたい宿から出て場所を移す人が多い。一日単位でルームメートが変わり、様々な国籍や様々な人生のバックグラウンドを持っている人が入ってくるため部屋の中での情報交換は欠かせない。大半は大学在学中か、大学を終えた若者が働く前に最後の青春を謳歌するためにオーストラリアに来るが、中には会社が倒産して清算処理が終ったと同時に国から逃げてきた人や夜逃げ同然に借金から逃げてきた人、世界でも名の通った大学を卒業した後ある大手金融期間でファンドマネージャーにまで上り詰めたが、何をとちっくるったか全財産をカジノにぶっ込みあぼーんしてしまいオーストラリアに流れてきた人など、え?ここで何してるの?と感じるほどユニークな人生を経験されている人も多い。

この情報交換は、4人~6人のディスカッションに発展する。テーマは仕事、人生、健康、ニュースなど色々。ここから様々な人生のヒントを学んだり、物事の捉え方、考え方を学ぶきっかけとなる。このディスカッションは何かを話さなければ参加しているとは見なされないし、私の考え方を問うことはあっても気を利かせて誰かが私に質問を振ってくるということは決して無い。テーマに沿って話すのだが、話を聞く事よりも、話す事が優先される。話の途中で自分の話を割り込む、話の腰を折るのはしょっちゅう、相手の話を理解する時はうなずくよりもおうむ返しか、相手の話した内容を端的に要約する。その後間髪入れず自分の考えを話すといったように話す事が中心。文法的に間違っているなんて事は誰も気にしない。文法が支離滅裂でも話の内容に関心が寄せられるため皆英語を堂々と話す。

それにしてもヨーロッパもしくはヨーロッパにバックグラウンドを持つ人はwhyという質問に滅法強い。私も自分の話した内容に対してディスカッションの相手から何度となくwhyの攻撃が来てその度に会話が中断し、thinkingモードになってしまうため、しびれを切らした参加者の一人がその理由を勝手に話しだし、私に同意を強制してくる。実のところはそういう意味ではないのだけど・・・面倒くさいのでそういうことにしてしまうという日本人の悪い癖がでてしまったりで半ば議論について行くのがやっとという状態。こんなに頭を使った事が無いと思うくらい頭の中フル回転。

ベッドに腰掛けて様々な人と議論する

彼らは、結論に対する理由が明確でどれも説得力があるから議論する場合も参加者からその理由にたいしてさらにwhyと突っ込まれることはないのだが、結論に対する理由の思慮が欠けたり、曖昧な答え方をするとあからさまに、無遠慮に突っ込んでくる。こう質問したら相手は答えにくいんだろうなという気遣い心遣いなどなし、どんなラフなテーマの内容であっても、ビシビシとその話の内容に対する説得力のある言質を求めてくるため議論に慣れてない日本人は途方に暮れてしまうだろう。私も例外ではなく、撃沈状態。

彼らの議論の仕方を見てて一つ分かった事は、結論と理由を必ずセットで頭の中からアウトプットしているということだ。理由の答えを必ず用意して結論を先に延べ、相手がその理由でも納得しない場合は例を加えてさらに説得材料を追加する。この繰り返しで議論は成り立っている。相手の話をうけて話す場合もそう。自分の考えはこうだ(結論) なぜならこうだからだ(理由)例えば(例示) という会話の法則が成り立っている。

上記に書いたのはあくまでも基本的な議論の方法の傾向で、この他にも彼らは様々な切り返しのテクニックを持っており、各国で教育の差が如実に現れている。最近は誰でもiphoneが手元にあるので、ググられて事実と違うと突っ込まれるという痛い仕打ちもある。本当に議論が活発なので、私としても非常に勉強になる。それにしても英語の議論は結構難しい。

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