オーストラリアのやばすぎる紫外線。ナメたら死亡。

  
オーストラリアの紫外線は非常に強い。外で数時間作業をすれば日の光にさらされている肌はあっという間に赤くなりひりひりして来る。ひどい人になると日焼けした皮膚の上にいくつもの水疱ができてしまう。日焼けを通り越して完全に火傷だ。

仕事前の日焼け対策はかかせない。肩まで布が垂れている防止にサングラスを装備し、紫外線にさらされやすい肌に日焼け止めクリームを厚めに塗って万全の対策で紫外線対策を施している。が実はあまりこうした対策も功を奏さない。

仕事中はだいたい雨になる。また畑では常にスプリンクラーが作動しているため肌に塗って来たクリームはだいたい落ちる。またオーストラリアの紫外線は日本の5倍~7倍と言われている。曇りの日でも馬鹿にならないほど紫外線が地上に降り注ぐ。

時々曇り空の隙間から日の光が除く時があるがこれは危険なほど日焼けを助長させる。畑の中は影を作っている背の高い建物や気が周辺にない為、直に日の光を浴びる。腕や足、クビの後ろは特に日の光にさらされやすい為あっという間に皮膚が赤く変色して来る。黒くならない。赤くなる。

紫外線の種類

気象庁によると、紫外線とは太陽の日射の種類の一つで、波長の長さからそれぞれ可視光線、赤外線、紫外線の3つに分類されている。

可視光線とはいわゆる光の事で人の目で確認できる波長のことで、可視光線よりも波長が短くなっても長くなっても人の目では確認できなくなる。

紫外線は可視光線よりも波長が短いもの、そして赤外線は可視光線よりも波長が長いものと定義されている。

波長が短い ← 紫外線(目で見えない = 不可視光線) < 可視光線(目で見る) < 赤外線(目で見えない = 不可視光線) → 波長が長い となっている。

波長が短い日射光線ほど肌に浸透しやすく悪影響を与える確率が高まる。気象庁によると紫外線は3種類あり、波長の長短によって人体に与える影響も異なる。

UV-A
紫外線の中では最も波長が長いもので大気の吸収をあまり受けずに地上に到達する。太陽に含まれるUV-Aの割合は数%程度。地上の生物に与える影響は3種類の紫外線の中ではもっとも小さいがナメてはいけない。

UV-Aは、肌の表皮を突き進み肌の奥深く真皮まで到達し、真皮にあるコラーゲンを破壊してシワやたるみなど老化を助長させる。

雲もガラスも通過するので例え曇りの日であっても紫外線対策を怠れば肌に悪影響を与える事になる。


UV-B
成層圏にあるオゾン層によって大部分が吸収されるが残りは地上に到達する。太陽に含まれるUV-Bの量は0.1%程度。だが、直接地上に到達する紫外線の中では非常に悪影響を及ぼす。

UV-Bを浴び続けた場合、表皮が赤らんだり、水疱が発症したりして火傷に近い症状を起こす。UV-Bは地上に届く紫外線の総量の10%に満たないが、紫外線の強さはUV-Aの1000倍と言われているため、通常の日焼け止めではなかなか効果はない。

できれば長袖で襟が深い服に長ズボン、帽子といった服装がこの紫外線を防ぐには好ましい恰好だが、外の気温が高くできるだけ肌を露出したい場合はSPF(Sun Protection Factor)の数値が高いUVカットクリームを肌に塗る事をお勧めする。
SPF数値の目安

UV-C
気象庁のホームページによると成層圏及びそれよりも上空のオゾンと酸素分子によって全て吸収され、地表には到達しないと書いてある。

3種類の紫外線の中では最も危険なものだが通常はオゾン層で吸収されて地上には到達しない。しかし近年南半球では南極の特殊な気候環境によりオゾンホールができており、またオゾン層の破壊も重なってその危険性が危惧されている。

有害な紫外線が到達するかは成層圏に停滞するオゾン層の厚さによって決まり、オゾン層が薄い南半球の国々では有害な紫外線にさらされる確率が高くなる。

オーストラリア上空のオゾン層が薄い理由

オーストラリア上空のオゾン層が薄いため多くの人が紫外線の悪影響にさらされている特に皮膚がんの発症率は世界一で3人に2人が皮膚ガンにかかると言われている。オゾン層が薄い理由は南極の特殊な気象条件によって生成された物質に関係している・

オゾン層は赤道直下で上空で大量に生成されている。もちろん他の地域でもオゾンは生成されるが、基本的には赤道付近で生成され大気の循環によって南極と北極に別れて流れて行く。

近年ではフロンなどのオゾン層破壊物質から発生した塩素原子によってオゾン層が破壊されていると指摘されているが、南半球にオゾンホールができる理由は他にもある。

北極、南極ともに冬期に入ると上空に太陽が昇らないため、成層圏は極めて低温になり極渦と呼ばれる低温の渦が発生する。

そうすると強い西風が南極に吹き付け極渦の中心部では極端に低温になるため独立した大気が生成されこの大気が化学変化を起し、春になるにつれて日の光を浴びる事でフロンから発生した塩素が再びオゾンを破壊する物質に変化する。

すると南極を中心とした広範囲においてこの物質の影響により上空のオゾンが一時的に薄くなるという現象が起こる。それがオゾンホールだ。

このオゾンホールに地理的に近いオーストラリアは影響を被るという事だ。

オーストラリア国内ではオゾン層を守る積極的な政策が打ち出されて来た。1987年には”オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書”に調印し国内でフロンの使用を、日本で問題になる前から禁止している。

オーストラリアの紫外線の強さについて

世界保険機関(WHO)ではUVインデックスによって各国に紫外線の強さを測る指標を設ける事を呼びかけ対策を促している。

紫外線の強さは5段階によって評価されそれぞれに強さと、それに応じた対策が喚起されている。
出典:気象庁

オーストラリア気候が比較的安定する夏のシーズン12月から3月上旬にかけては東海岸ではUVインデックスが11を記録することがある。特にケアンズは1月2月は、WHOで定められたUVインデックスの最高値を悠に上回る15,6を連日記録する。

ちなみに環境省がUVインデックスを元に定めた注意喚起の基準によると数値が8~11の時は外出の控えるように呼びかけている。しかしここオーストラリアでは日中は冬でも夏でもUVインデックスが普通に8~11まで到達するため 本来ならば日中の外出は極力控えなければならない。外出するとしても常にUVカットクリームを持ち歩き、帽子とサングラスを常に身につけていなければならない。

出典:WillyWeather
これは今週のカブルチャーのUVインデックスを用いて紫外線量を表したグラフになる。紫外線量が"extreme"を超え頂点に達するのは丁度正午。早朝6時から徐々に紫外線の量が増え太陽が真上に来る正午過ぎが紫外線の量が危険水域に達する。

現在、オーストラリアでは夏から秋への季節の変わり目のシーズン。季節の変わり目は天気が崩れやすく曇りや雨の日が多いためextremeを超える日は少なくなってきたが、それでも正午過ぎは危険水域に紫外線量が達している事には変わりない。

プランティングの仕事から帰って来た後紫外線に強く肌が反応する人は顔や首、腕など露出している部分が見事に真っ赤である。曇っているのにも関わらず、危険水水域に達してから数時間でものの見事に真っ赤。

どれだけ紫外線が強いかお分かりいただけただろう。

皮膚癌について

70歳までには3人に2人が発症すると言われ、毎年2000人程が皮膚癌の犠牲になっていると言われている。もともとコーカソイドはモンゴロイドやネグロイドに比べてメラニン色素が少ないため紫外線の影響を受けやすい。メラニンの色素が不足していると簡単に皮膚の深部まで紫外線が到達してしまいシミやそばかすまた深いシワを顔面に刻んでしまうことになる。そのため皮膚癌の発症率の高さはそうした人種的な弱点も重なっている。

紫外線を過度に受けないように日頃から心がけていれば、このような深刻な事態にはならないはずだが、この国の人間はコーカソイドという人種が紫外線に極めて弱いということを理解していないのか、ワンピースやショートパンツ、タンクトップなど大胆に肌が露出した恰好をしている。近くで露出している肌を観察するとシミやそばかすだらけですこぶる乾燥している。傍目からみるとカサカサで紫外線のダメージをかなり受けている。

強い紫外線によって皮膚癌が発症するかどうかのリスクは彼らには遠いはなしで全く当事者意識が感じられない。紫外線に対する政府の取り組みは積極的で、世界でもいち早くモントリオール議定書に批准したにもかかわらず、国民の紫外線に対する危機意識が日本よりも低すぎる。本当に馬鹿難じゃないかと思うくらい日中に露出している女が多い。

ビクトリア州ではいち早く皮膚癌予防のための啓蒙活動が行われ、近年では若年層の発症数が減少したとの報告もある。ということは国民の危機意識によって簡単に防げるものなのだ。皮膚癌は紫外線が原因で発症するが、皮膚癌になるかどうかはオーストラリア人一人一人の心がけしだいといったところ。

スリップ・スロップ・スラップ・ラップ

オーストラリアでは最も歴史のある紫外線の健康被害予防の啓蒙プログラムであるSun Smartプログラムが80年代に導入される。将来の皮膚癌の発症率を防ぐため特に子供の教育に紫外線対策のノウハウを取り入れ積極的に啓蒙活動をおこなっている。

"スリップ・スロップ・スラップ・ラップ"というスローガンを合い言葉に具体的な対策を子供達に教えている。これは主に子供達が屋外において紫外線予防の為に取る行動を示す言葉になっている。

  • Slip on shirt・・・長袖のシャツを着る事

  • Slop on sun block・・・日焼け止めを塗る事

  • Slap on a hat・・・帽子をかぶる事

  • Wrap on s sunglasses・・・サングラスをかける事

在日オーストラリア大使館によると、オーストラリアの紫外線対策は世界で最も歴史が古く、紫外線の害を予防しようという考えは国民の間に広く浸透しています。特に、子どもが日中長時間過ごす学校では、分かりやすく、きめ細かい指導が行なわれているとのこと

例えば、『ノーハット・ノープレイ(No Hat, No Play)』ということで、帽子をかぶらない子どもが校庭で遊ぶことを禁じている学校が少なくない。しかも、戸外活動授業でさえ禁止してしまうという徹底ぶり。日光の当たる身体部分にはすべて日焼け止めを塗ることを義務づけ、各クラスには日焼け止めが常備されているということだった。

が実際に町を見渡した限り帽子はかぶらない、10代から年増のおばちゃんまで極めて強烈な紫外線が降り注ぐ中露出が多すぎる恰好をしている。本当にこの啓蒙活動が浸透しているのか甚だ疑問だ。この間カブルチャーの幼稚園の近くを通ったが子供達は帽子をかぶらず普通の半袖で遊んでいた。全く紫外線対策の意識が希薄だ。

まとめ

オーストラリアには南極の特殊な気象条件から発生したオゾンホールの影響を受けている。オゾン層の厚さは深刻なほど薄い。そのため一年を通して天候が安定している日は常にUVインデックスが8~11の危険水域の上限に達している。旅行に来る際、特に夏場は薄手の長袖を用意したほうがいい。オーストラリアの紫外線は嘗めない方が身の為だ。オーストラリアでの皮膚癌の発症率を見ればどれだけ人体に影響を与えているか伺えるだろう?

とりあえずオーストラリアへの紫外線対策の持ち物を確認しておく。つばが広いキャップないしハット、サングラス、(夏の場合は)薄手の長袖、長ズボン、SPFの数値が高いUVカットスキンクリーム(SPF数値の目安)だ。是非旅行の計画をたてる場合は紫外線対策の事も忘れずに考えてもらいたい。

1 件のコメント:

  1. 怖い話です。ヨーロッパ人もなぜか、紫外線の強い中東や、東南アジアにいっても露出している人が多いです。肌を出せばいいと思っているんですかね。
    セクシーの勘違いなのか、バカンス焼けアピールなのか、、、.
    20代で前がん状態、親子で皮膚ガンなんてのも珍しくないのに。危ないよ(´д`)

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