オーストラリアのファーマー、野獣のように働くが、ワーカーには優しくない。

  
これまで3つのファームで働いてきましたが、どのファームの創業者も鬼のように働きます。早くて朝3時、遅くとも朝4時にはフィールドに出て仕事をしています。

フィールドワーク(畑仕事)通常7時に終りますが、彼らはフィールドワークが終った後、大手のスーパーマーケットと打ち合わせが入っていたり、新たに雇い入れるワーカーの選定をしたり、ワーカーの給与の管理をしたり色々オフィスワークをこなしているようです。

結局仕事が終わるのは10時を過ぎたころになるので、夕食やお風呂を住ませたら睡眠時間はわずかに3~4時間しかとれないようです。

しかし翌朝になり私が仕事場に到着すると既にトラクターをフィールドに回して仕事をしているではありませんか。本当にどこからそんなエネルギーがでてくるのか不思議でしかたがありません。

朝3時から夜22時までの労働時間を計算してみるとなんと19時間!!! この長時間労働をモチベーションを下げる事無くラストまで全力で動いています。

薬やって頭のタガがはずれてんじゃないかと思うほど精力的で、野獣のごとく働きます。私はこちらへ来て最高で14時間昼休憩、小休止なしで働きましたが、次の日疲れすぎて半日も寝坊し遅刻しました。

私が遅刻した日も例外無く朝3時にすでにフィールドに出ていたそうです。

恐るべしオーストラリアのファーマー。 ちなみに私が働いたところのボスは50代後半から70代に差し掛かろうかという高齢のファーマーです。

私の方が圧倒的に年齢は若いのに体力、精神力、気力どれをとっても叶う要素がないような気がしています。本当にやばい体力です。人は情熱だけでここまで精力的に働ける者なのでしょうか?

彼らは仕事の合間によく創業秘話を語っていました。ぺんぺん草しか生えてないような荒れた土地を全財産で購入し、成功の保証がない農業に人生の全てをかけたそうです。

文明の利器がまだそれほど豊富ではなく、また資本金に限りが有る彼らは人もそれほど雇えず自分の手によって朝から晩まで毎日寝る間も惜しんで土を耕したといいます。

こうして手塩にかけて育てた農場は彼らにとっては自分の子供同然。過保護な親と同様にあらゆるところが気になって気になって仕方が無い。

だから信頼のおけるワーカーに完全に任せるというスタンスをとりません。オフィスワークや経営は任せても農場での仕事はボスの一存で全て決まります。

現場は非常にワンマンなボス一人が仕切っている状態で、ワーカーはトップダウンでボスから下達された命令を着実にこなしていく奴隷です。

現在の職場では仕事始めの早朝、常にボスの顔色を伺いながら、細かすぎる指示を聞きます。また昨日の失敗をネチネチいたぶられワーカーのモチベーションは最悪です。

理不尽すぎる叱責は朝飯前、何をしても"こうじゃない!こうだ!言われたことを言われた通りにしろ!"と怒られます。

パワハラもいいところです。一ヶ月も立たないうちに新たに雇われたフルタイムワーカーが4人も辞めました。たぶんボスが原因だと思います。

そのせいでプランティングの準備に大幅な遅れが生じて、苗が既に届いているのにパイプもスプリンクラーも畝に設置できてない畑がいくつも有り完全に準備が遅れています。

プランティング要員として採用された人は多すぎるウェイティングに飽きれてどんどん辞めていってます。

ファームを経営する事より、人を使って効率よく運営するより、人材育成をして後継者を育てて効率よく農場を運営するより、手塩にかけて育てた農場をどうしても自分で最後まで面倒を見て行きたい。そんなファーマーばかりでした。

私は働く姿勢は非常に尊敬できますが、従業員の立場からすると少し厄介な存在かも知れません。

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