現在メルボルン郊外のクレイトンという小さな学生街に滞在している。実はファームを辞めた後職を点々として、割と長期に渡って働ける職が見つかったのでこちらに越して来た。思い起こせば3ヶ月という短期間で様々な職に応募して挑戦して来たが、安定して長く続けられない。仕事を始めたはいいが数週間経つと役目を終えて職を追われるか、雇用者が僕を採用した丁度一週間後に経験者を雇い入れクビを切られたり、ある住み込みの職場では、冬場だと言うのに滞在しているシェアハウスに暖房器具が設置されておらず部屋にいるにもかかわらず常時吐く息が白くなるという凍てつく寒さ嫌気がさして辞めてしまったりと長く続けられる仕事をみつけるには非常に苦労する。最後は自分の意思で辞めたが工場系の仕事は相変わらず高時給で募集をかけて労働者の足元をみるような過酷な環境で働かせる場合が多い。特に韓国系は・・・・・
ということで今回はファームを卒業して最初についた漁師の仕事について書きたいと思う。
漁が始まればノンストップだ。食事の休憩は無い。食いながら馬車馬のように働かされるし、最初の一週間は慣れない航海に船酔いと格闘しながらの仕事だった。それはそれは地獄だった。船酔いが特に酷かった乗船4日目など引き上げ最中の漁網にゲロをぶちまけるという大失態をしてしまった。ジェイソンはマジでキレてた..."てめえの汚ねえfuckingなゲロがかかったエビを誰が食うんだ! ざけんな! fucking piece of shit!! " とかなんとか言っていた。(というか海の水で洗えばいいじゃんと思ったが・・・・) しかし自分の体調が悪いのに船長の怒声を気にしていられない。それからはゲロの連鎖だった。吐いたゲロが網にかかり、そのゲロに群がる回遊魚を見て気持ち悪くなりジェイソンに怒鳴られながらまたゲロを吐くと言う拷問。。いったい何のプレイをしているんだろうと頭の中で冷静に自分を傍観していた。
そんなこんなで20トン入る大型の冷蔵庫は2週間で8割り方(16tくらい?)エビで埋め尽くされポートダグラスに荷下ろしと給油のために寄港した。エビがたっぷり詰め込まれた十数kgの箱を船内の冷凍庫から一千数百箱を運び出すんだが、これがまたしんどい。冷凍庫とデッキをいったり来たりするんだが外と中の温度差が激しすぎて気が狂いそうになる。外は結構暑いので防寒着無しで氷点下の冷凍庫から箱を取り出しデッキに上げてクレーンで岸に下ろす。船員一人がデッキに運び出す箱のノルマは400~500くらい。漁で疲れているのにさらに追い打ちをかけるがごとく肉体労働が続く。一日がかりでようやく終了。漁師の仕事がこんなにキツいと思わんかった。満月の夜を待ちしばし数日の休息をとったのち、必要な食料、物資を積み込み出航。漁獲地点へ向けて北上する。ポイントに到着したものの探知機?レーダー?にエビが反応しないのかなんどか漁獲ポイントを変えるがなかなかエビの群れを発見できず朝から晩まで航海を続ける。数日間は全く仕事が無くつい一週間まえは戦場だった船内も閑古鳥がないているという状況だった。何もする事が無くひたすら漁獲のチャンスを待ち続けると言う暇との不毛な戦いを繰り広げていた。ただ僕は雑用だったので船内とデッキの掃除を毎日やらされていた。掃除をしながらふと海に目を向けると忙しい時には見向きもしなかった船を追って来るイルカの群れや空をオレンジ色に染め上げながら水平線の彼方に沈む太陽や夜になると空に埋め尽くされた星をみたときは感動を覚えた。自然て素晴らしい。壮大な情景を目の前に自分の存在のはかなさを哲学してしまった。数日たつとジェイソンがポイントを見つけたらしく底引き網を下ろすが、お目当てのエビよりも魚が多く獲れるため、ジェイソンの機嫌が悪くなる。サメが網にかかる時はキレてサメをぶん投げられたりした。ジェイソンの機嫌を直すためいつかyoutubeでみた寿司の握り方や魚の裁き方を思い出しながら新鮮な魚を捌き、酢飯を作って不器用なりに寿司を握ったりしていた。他の船員にも振る舞ったが反応は上々だった。ジェイソンはこれで機嫌を治すんだから単純な奴だ。
2回目のエビ漁は順調とは言えずポイントを変えては底引き網を下ろすと言う事を繰り返していたが、空模様が時化の様相を呈する。雲行きが怪しくなり本格的に海が荒れ出し漁を一時断念してケアンズに帰港する事になった。帰港してからも次の出航日が判然としないためここで仕事を降りる事になった。ジェイソンがその足で銀行に向かい5000ドルを頂いてオーストラリアケアンズでの漁師生活に幕を閉じた。
これは僕のdeckhandの求人応募に対して送られて来た水産会社の返信の一部ですが、この業界で働く為には無給で下積みを経験しなければならないということが書かれています。
未経験で給料が貰えて仕事を得るには言う間でもありませんがオフラインの聞き込みが最重要です。今回船に同乗したドイツ人は多少本国で漁師の経験がある物のオーストラリアでは未経験のためネットで応募した案件については断られ続けていました。そこで発想をかえホステルやバックパッカーに電話で連絡とりホステルのオーナの知り合いにジェイソンの連絡先を教えてもらい今回の仕事をゲットしたと言う事でした。
ホステルはインターネットで掲載されていない仕事情報が溢れているので漁獲シーズンと合わせて遠慮せずにどんどん問い合わせてみた方がいいと思います。ちなみにおおまかに漁師としての仕事を得やすい場所は東ではケアンズ、西ではカラサ、ジェラルトン、フリーマントル、ブルーム、カーナーヴォン、北ではダーウィンです。 健闘を祈ります
ということで今回はファームを卒業して最初についた漁師の仕事について書きたいと思う。
漁師
ファームをやめてからブリズベンで仕事を探していたがなかなか見つからないので、思い切ってケアンズに飛ぶ。インターネットでケアンズの仕事に関するブログを読みあさって 漁師に仕事のターゲットを絞る。漁師の仕事はローカルのインターネット求人サイトにも乗っている。が、しかしここに掲載されている求人のほとんどがオーストラリアの水産会社からの募集なので資格保持者かどうか、また業界で経験を積んでいるかどうかを厳格に審査して採用しているらしく経験が無く資格が無い僕は応募したところでメールの返信すら送られてこない。そこで自営業の漁船を狙って直接港で交渉する事にした。ケアンズに来たのは7月。運がいい事に、ちょうど遠洋漁業に出た船が港に帰港する時期で、次々と漁船がケアンズの港に集まって来る。漁師達は数週間の休暇と次の漁の準備に追われている。チャンスを逃すまいとすかさず片っ端から仕事がないか船のキャプテンに交渉してみるということを来る日も来る日も朝から晩まで繰り返した。仕事の交渉に明け暮れる事一週間、あるエビ漁船の船長から条件付きで仕事をもらうことができた。その条件とは船員の食事の用意と掃除などの雑用を漁の合間やるということだった。僕は船の食事担当兼雑用として雇われたらしかった。考えてみれば当たり前の話しで、漁師の経験は人生で一度も無い。船の操舵の仕方も分からなければ、レーダーの見方もわからない。漁網の仕掛け方も分からなければ、道具の手入れのやり方も分からない。そんな新入りができる仕事といえば限られている。ただ雑用とはいえど船の上ではかなり重要な役割だ。というのも漁師は一旦海に出たら24時間体勢で漁に当たるため身の回りのことをやっている余裕は無い。獲れる時にフル稼働で獲りまくって、すこしでも暇ができればその時間を仮眠にあてるという生活だ。一日の睡眠時間が3時間程度で漁は少なくとも17時間稼働しているので炊事、洗濯、掃除を誰かがやらなければ船上はカオスになる。とりあえず日々の雑用をこなしながら漁を少しずつ教育されるてはずになっていた。 早速仕事が決まった当日の夜に出航。漁のポイントであるケアンズの沖合北東12km地点には日付が変わった午前一時に到達し、その日の早朝に漁が始まる。クルーは僕を合わせて4名。オーストラリア人の船長を筆頭にマオリ系のニュージーランド人とドイツ人が乗船していた。オーストラリア人船長のジェイソンは元々消防士でガタイがとにかくヤバい。朝起きるといつもマストにぶら下がり懸垂していた。このハードワークでどこにそんなエネルギーがあるんだといつも感心していた。当初雑用として雇われた僕だったが、漁が始まると強引にヘルプに狩り出され網引き、ピッキング、箱詰めを延々と16時間死にそうになりながら続ける。その合間をぬって昼食やら夕食の準備をするんだが悠長に作っている暇もなく豪快に取れたエビを香草とともにグリルして身を取り出しパンに挟んで船員に提供していた。味付けは塩のみ。当初は船員の味の好みを聞き、魚介類を調味していたが、僕がその味について行けなくなりセルフでソースをパンの上から掛けて食べてもらう事にしたのだ。海の男達の味覚は狂っている。バナナプロウンという大きなエビのグリルを2枚のトーストで挟んだ物をジェイソンに渡した時は(すでに香草の風味としっかりした塩味がついているのに)にこぼれるほど照焼きソースとマヨネーズをかけて食ってたし、食後にコーヒーを出したコーヒーの色が黄土色になるほど加糖練乳をドバドバ入れていた。オーストラリア人ははっきりした味を好むということは聞いていたけどこれは異常だと思った。とにかく寝る時間以外は働き詰めだから必要以上に糖分や塩分を体が求めているんだろうと思う。漁が始まればノンストップだ。食事の休憩は無い。食いながら馬車馬のように働かされるし、最初の一週間は慣れない航海に船酔いと格闘しながらの仕事だった。それはそれは地獄だった。船酔いが特に酷かった乗船4日目など引き上げ最中の漁網にゲロをぶちまけるという大失態をしてしまった。ジェイソンはマジでキレてた..."てめえの汚ねえfuckingなゲロがかかったエビを誰が食うんだ! ざけんな! fucking piece of shit!! " とかなんとか言っていた。(というか海の水で洗えばいいじゃんと思ったが・・・・) しかし自分の体調が悪いのに船長の怒声を気にしていられない。それからはゲロの連鎖だった。吐いたゲロが網にかかり、そのゲロに群がる回遊魚を見て気持ち悪くなりジェイソンに怒鳴られながらまたゲロを吐くと言う拷問。。いったい何のプレイをしているんだろうと頭の中で冷静に自分を傍観していた。
そんなこんなで20トン入る大型の冷蔵庫は2週間で8割り方(16tくらい?)エビで埋め尽くされポートダグラスに荷下ろしと給油のために寄港した。エビがたっぷり詰め込まれた十数kgの箱を船内の冷凍庫から一千数百箱を運び出すんだが、これがまたしんどい。冷凍庫とデッキをいったり来たりするんだが外と中の温度差が激しすぎて気が狂いそうになる。外は結構暑いので防寒着無しで氷点下の冷凍庫から箱を取り出しデッキに上げてクレーンで岸に下ろす。船員一人がデッキに運び出す箱のノルマは400~500くらい。漁で疲れているのにさらに追い打ちをかけるがごとく肉体労働が続く。一日がかりでようやく終了。漁師の仕事がこんなにキツいと思わんかった。満月の夜を待ちしばし数日の休息をとったのち、必要な食料、物資を積み込み出航。漁獲地点へ向けて北上する。ポイントに到着したものの探知機?レーダー?にエビが反応しないのかなんどか漁獲ポイントを変えるがなかなかエビの群れを発見できず朝から晩まで航海を続ける。数日間は全く仕事が無くつい一週間まえは戦場だった船内も閑古鳥がないているという状況だった。何もする事が無くひたすら漁獲のチャンスを待ち続けると言う暇との不毛な戦いを繰り広げていた。ただ僕は雑用だったので船内とデッキの掃除を毎日やらされていた。掃除をしながらふと海に目を向けると忙しい時には見向きもしなかった船を追って来るイルカの群れや空をオレンジ色に染め上げながら水平線の彼方に沈む太陽や夜になると空に埋め尽くされた星をみたときは感動を覚えた。自然て素晴らしい。壮大な情景を目の前に自分の存在のはかなさを哲学してしまった。数日たつとジェイソンがポイントを見つけたらしく底引き網を下ろすが、お目当てのエビよりも魚が多く獲れるため、ジェイソンの機嫌が悪くなる。サメが網にかかる時はキレてサメをぶん投げられたりした。ジェイソンの機嫌を直すためいつかyoutubeでみた寿司の握り方や魚の裁き方を思い出しながら新鮮な魚を捌き、酢飯を作って不器用なりに寿司を握ったりしていた。他の船員にも振る舞ったが反応は上々だった。ジェイソンはこれで機嫌を治すんだから単純な奴だ。
2回目のエビ漁は順調とは言えずポイントを変えては底引き網を下ろすと言う事を繰り返していたが、空模様が時化の様相を呈する。雲行きが怪しくなり本格的に海が荒れ出し漁を一時断念してケアンズに帰港する事になった。帰港してからも次の出航日が判然としないためここで仕事を降りる事になった。ジェイソンがその足で銀行に向かい5000ドルを頂いてオーストラリアケアンズでの漁師生活に幕を閉じた。
オーストラリアで漁師の仕事をゲットしたいと思っている人へ
場所と漁のシーズンだけはしっかり抑えておかないと港に行っても無駄足になると思います。僕の場合はケアンズには比較的日本人が多く日本人むけの商売がいくつかあると思ったのでツアリングの仕事がゲット出来ればいいなと言う目算でケアンズに飛びましたし、漁師の仕事が最初から目的ではありませんでしたが、結果的に時期的なタイミングが合い運良く漁港で仕事をとることができましたが。仕事を狙って行く人は情報収集をしっかりしたほうがいいでしょう。情報収集は皆さんが思いつくのはインターネットだと思いますが、インターネットの求人サイトは非常に競争率が高く、水産会社からdeckhand,skipperで常時募集が掛けられてはいますが求人条件のハードルが高いため漁師の経験が無い人は応募したところで返信すら返してもらえない事でしょう。これは僕のdeckhandの求人応募に対して送られて来た水産会社の返信の一部ですが、この業界で働く為には無給で下積みを経験しなければならないということが書かれています。
Often the only way is to seek a position aboard a boat for unpaid work experience, and then seek to use this experience to enter the industry.I believe that a few boats in the Cairns area will offer these types of positions. Good Luck in your endeavors.
未経験で給料が貰えて仕事を得るには言う間でもありませんがオフラインの聞き込みが最重要です。今回船に同乗したドイツ人は多少本国で漁師の経験がある物のオーストラリアでは未経験のためネットで応募した案件については断られ続けていました。そこで発想をかえホステルやバックパッカーに電話で連絡とりホステルのオーナの知り合いにジェイソンの連絡先を教えてもらい今回の仕事をゲットしたと言う事でした。
ホステルはインターネットで掲載されていない仕事情報が溢れているので漁獲シーズンと合わせて遠慮せずにどんどん問い合わせてみた方がいいと思います。ちなみにおおまかに漁師としての仕事を得やすい場所は東ではケアンズ、西ではカラサ、ジェラルトン、フリーマントル、ブルーム、カーナーヴォン、北ではダーウィンです。 健闘を祈ります
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