ルームメイトが自殺し、ラップ音が部屋の中で鳴り響く。。。

  
実はここのところ寝不足が続いていてどうにかならないものかと日々頭を悩ませている。その原因は夜になると度々起こるラップ現象だ。ドアが勝手に空いたり、部屋の中から何か音が聞こえてきたりするのだ。部屋の中から音が聞こえて来るのは同居人が部屋の中にいるからじゃないかと思うだろう。しかしここ3週間は4LDKのシェアハウスに一人でいることが多く、同居人は夜になっても帰ってこないのだ。こういった怪奇現象がおこるようになったのは3週間前だ。

実は3週間前同居人ジェフが部屋で自殺したんだ。死因は薬物の大量摂取だった。死体の発見時どこから仕入れたのか薬の入れ物が部屋中に転がっていた。自殺をする以前にも常習的にドラッグを摂取していたらしい。他の同居人と死体を発見した時は既に死後1週間はたっていた。ジェフの死体が発見されるまで家の中を充満する臭いには誰もが気付いていたものの下水管になにか問題が有るのだろうと考えて気にも留めなかった。そのため発見がおくれ死体の腐敗が進んでいた。発見時部屋を明けた途端嗅いだ事も無い死臭激臭が当たりを包み強烈な目眩がしたのを覚えている。ジェフ頭部は青く変色し、腹部はガスがたまっているのか膨らんでいた。汚物はベッドに恐らく垂れ流していたのだろう、糞尿の臭いが死臭にかすかに混じっていた。

僕がこのシェアハウスに越して来た時ジェフに会ったのは1回だけだった。彼は表面上は明るくとても友達付き合いが良いという印象を受けたが、内情は複雑だったようだ。彼は大学生だったが授業にも出席せず毎日部屋に引きこもっていた。そういう事情があってか彼をシェアハウスのなかで見かけないと言う事に誰もが違和感を抱かなかった。それも自殺発見が遅れた原因の一つだ。そもそも発見当初は彼を励ますため半ば強引にドッキリを仕掛ける為に彼の部屋に突撃したのが始まりだ。

同居人のショーンは完全に動揺しており、泣きながらしどろもどろになりながら警察と消防に事情を説明しなんとか事態の収集をはかろうとしていた。警察が現場検証を行い僕らの事情聴取が終ると死体は司法解剖に回されるのか警察車両に運ばれて行った。その後、同居人は近くに住む家族に引き取られ、オーストラリアに身寄りが無い僕は一人でシェアハウスに住む事になったのだ。

もちろん同居人は家賃を支払い続けているみたいだが死体を見たショックが忘れられずシェアハウスに戻って来ると言う決断が出来ないらしい。ジェフが無くなって数日たったある日から突然自分の居室のドアが開いたり、ジェフが滞在していた部屋から物音が聞こえるようになったのだ。こうしたラップ現象とジェフの自殺の因果関係について安易に関連づけるベキではないと言う事は十分に招致しているが、ジェフが亡くなる前はこんな事は無かった。

また、今はオーストラリアは時期的に春にあたる。一日の寒暖差に開きがあったり、日によって寒かったり、あたたかッタリするが、概ね気候は落ち着いてきており暖かくなって来ている。にもかかわらず部屋の中は冬じゃないかと感じるくらい寒かったりする。部屋の中で吐く息が白くなったりする。とくにジェフの部屋の前は悪寒が絶えない。

こういうことが続き日々ストレスを募らせている。毎晩起きるラップ現象に悩まされながら一人でそのシェアハウスに住むというのは精神的におかしくなりそうだ。ジェフの死体が発見されて以降ジェフの部屋の扉を開けてない。開けたら何か変なことが起こる予感がするのだ。

早く自分が住んでいる部屋を引き払ってしまいたいが家賃の問題もありなかなか軽いフットワークで行動に移せない。そのうち変なものでも見てしまうんではないかという恐怖に日々怯えている。

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