さてピッキングのシーズンが始まって数週間が立ちプラントに生えている苺の数も日々増えており本格的なピークシーズンの到来を告げています。
私が働いているファームではまだシーズンが始まったばかりで一つのプラントに育つイチゴの数はせいぜい多くて5個程度ですが、ピークシーズンになれば一つのプラントに育つイチゴの数は最大で20個になります。
現在はイチゴの収穫量がそれほど多くなく、一旦一つのフィールドに育っている赤く熟したイチゴ全部を収穫してしまうと2日、3日はそのフィールドで収穫できなくなるため、本格的なピークシーズンを迎えるまでは日によってフィールドを変えながらピッキングをしています。
そして私のファームでは歩合制であるにもかかわらず、遅すぎるピッカーに関してはペナルティーが与えられており努力の甲斐なく成績がワースト3に転落してしまったピッカーには段階的にペナルティーの基準が設けられていて全く改善の余地が認められない場合には解雇される事になっています。1回目は警告、2回目はそのまま仕事を強制的に中断され家に帰される、3回目は解雇です。
いつ下からの追い上げに屈するか分からないトップのピッカーも解雇通告に怯えながらなんとかピッキングの改善を続けるビリのピッカーも精神的に追い込まれているので、現場のムードはかなりピリピリしています。小さな口争いや、ぶつかったぶつかってないの小さな小競り合いが勃発することもよくあります。
シーズンが来ると一つのプラントに育つイチゴの量は5~6個、若しくはそれ以上になる為効率性 の面からトローリーを使うようになります。トローリーとは3輪、4輪でトレイを置く棚が前後に、そして中央にシートが設置されたピッキング専用の乗り物で、車輪は安定しやすいように畝をまたいで、畝の間に4つ若しくは3つの車輪が通るようになています。
ピッキングの際トローリーの進め方は非常にシンプルかつ原始的。蹴って前後に進みます。シートに座って足を動かしながら自分の両側の畝にある苺のプラントから苺を探し出し収穫していきます。
トローリーを別の畝やフィールドに移動させる場合は直接後ろから押して移動させなければならないので坂道や悪路だと本当に大変です。特に雨が降った日には本来舗装されている道が泥水でぐちゃぐちゃになるので、泥が車輪の泥よけに滞留し車輪が全く回らなくなる事があったり、イリゲーションの不具合で水が畝の間にたまったりすると泥に車輪がハマって全く身動きが取れない事が有るのでトローリーを動かすだけでもかなりの重労働です。
また、この重労働に拍車をかけるのがトローリーのコントロール性の無さです。このトローリー、ハンドルも無ければ、サスペンションもブレーキもなく車輪は一方向に固定されていて全て手動で動かさなければなりません。
例えばトローリーの方向を変えたい場合はその度に後ろのタイヤを持ち上げて方向を変えなければなりません。またタイヤが曲がっているとトローリーが進む軌道がまっすぐいかず曲がってしまうためピッキングの最中にトローリーを何度も持ち上げて軌道修正をはからなければならなくなります。
これは女性には本当に重労働です。何度も泥にハマってトローリー懸命に押している女性を見ていると本当にかわいそうになります。基本的にこういったトラブルに合っている女性を見かけても誰も助けようとはしません。歩合はシビアです。数分遅れただけで畝を一つとれるかどうか明暗をわけるので人助けをして遅れをとるという事は皆絶対にしたくはないのです。
この仕事は本当にハードなので男性向きだとつくづく思います。
皆お互いにトローリーをぶつけながら必死の形相でベストポジションを狙って熾烈な戦いを早朝から繰り広げています。
だいたいどれくらい早朝からこの戦いが始まるかというと、だいたい私のファームはピッキングの開始が6時半なので、早朝4時半にはピッカーが集合場所に集まり熾烈な獲得競争を繰り広げるということです。
皆本気です。金欲しさにギラギラしている韓国人が多くて正直引いてしまいます。
ピッキングのスピードが速いというのはそもそも勝つ為には当たり前のスキルで、その上でどこの畝にどのタイミングで入るかを計算し尽くしてやっと上位のピッカーになれるのです。
成績上位のピッカーは動きが一貫しています。この畝の長さがどれくらいだからピッキングに要する時間はこれくらいで、そうすると終ったピッカーが次の畝に向かって移動し始めるから人が少ないこのルートを通って一番苺が良く取れる場所を確保するというように効率性を重視し一貫した戦略を貫いています。
さてではこの戦略はどういった目標に基づいているかというと、一番良く苺が取れる畝を確保することと、出来るだけたくさんの畝を確保するということです。
速いピッカーは苺の見落としが割と多いです。よくスーパバイザーに注意されているのを見かけますが、彼らは気には留めていません。なぜならより多くの畝を確保する事の方が見落とす可能性のある苺を葉がもっさり生えたプラントから時間をかけて探し出すよりも確率的に多くの苺を取れる事を知っているからです。
彼らに聞くと解雇される可能性がないのであればピッキングは7割の完成度でとにかくスピード重視で突き進むということでした。
もしこれから歩合でピッキングの仕事をするという人がいれば、"できるだけ多くの畝を確保する"ことを目標に戦略を練ってみてはどうでしょうか。
ピッキングはある意味戦争です。勝つ為に様々な戦略を練り実践しましょう。時にはずる賢く、フェアじゃない立ち回りをしても良いと思います。多少バレない程度に他人の畝の苺を拝借するとか、良いコンディションのトローリーをどこかに隠すとか、歩合は結果にこだわる事が重要だと私は思います。
私が働いているファームではまだシーズンが始まったばかりで一つのプラントに育つイチゴの数はせいぜい多くて5個程度ですが、ピークシーズンになれば一つのプラントに育つイチゴの数は最大で20個になります。
現在はイチゴの収穫量がそれほど多くなく、一旦一つのフィールドに育っている赤く熟したイチゴ全部を収穫してしまうと2日、3日はそのフィールドで収穫できなくなるため、本格的なピークシーズンを迎えるまでは日によってフィールドを変えながらピッキングをしています。
ピッカーは全員余裕が無くかなりピリピリしている
さてピークシーズン間近の現在ではトップのピッカーが続々と集結してきており、昨日トップだったピッカーは今日新しく入ったピッカーに首位の坐を奪われ2番手、3番手に甘んじるということは珍しくなく、日々成績が塗り替えられています。そして私のファームでは歩合制であるにもかかわらず、遅すぎるピッカーに関してはペナルティーが与えられており努力の甲斐なく成績がワースト3に転落してしまったピッカーには段階的にペナルティーの基準が設けられていて全く改善の余地が認められない場合には解雇される事になっています。1回目は警告、2回目はそのまま仕事を強制的に中断され家に帰される、3回目は解雇です。
いつ下からの追い上げに屈するか分からないトップのピッカーも解雇通告に怯えながらなんとかピッキングの改善を続けるビリのピッカーも精神的に追い込まれているので、現場のムードはかなりピリピリしています。小さな口争いや、ぶつかったぶつかってないの小さな小競り合いが勃発することもよくあります。
ピッキングはトローリーの移動が最難関
ピッキングは苺の収穫量と共にハンドピッキングからトローリーピッキングに移行して行きます。シーズン直前であれば一つのプラントに育つイチゴの量はせいぜい1個~2個なので一つのトレイを持ちながら腰を屈めてピッキングをします。そしてトレイが苺で満たされたらその都度スケールステーションに行き重さを量って与えられた自分のIDナンバーを読み込みます。シーズンが来ると一つのプラントに育つイチゴの量は5~6個、若しくはそれ以上になる為効率性 の面からトローリーを使うようになります。トローリーとは3輪、4輪でトレイを置く棚が前後に、そして中央にシートが設置されたピッキング専用の乗り物で、車輪は安定しやすいように畝をまたいで、畝の間に4つ若しくは3つの車輪が通るようになています。
ピッキングの際トローリーの進め方は非常にシンプルかつ原始的。蹴って前後に進みます。シートに座って足を動かしながら自分の両側の畝にある苺のプラントから苺を探し出し収穫していきます。
トローリーを別の畝やフィールドに移動させる場合は直接後ろから押して移動させなければならないので坂道や悪路だと本当に大変です。特に雨が降った日には本来舗装されている道が泥水でぐちゃぐちゃになるので、泥が車輪の泥よけに滞留し車輪が全く回らなくなる事があったり、イリゲーションの不具合で水が畝の間にたまったりすると泥に車輪がハマって全く身動きが取れない事が有るのでトローリーを動かすだけでもかなりの重労働です。
また、この重労働に拍車をかけるのがトローリーのコントロール性の無さです。このトローリー、ハンドルも無ければ、サスペンションもブレーキもなく車輪は一方向に固定されていて全て手動で動かさなければなりません。
例えばトローリーの方向を変えたい場合はその度に後ろのタイヤを持ち上げて方向を変えなければなりません。またタイヤが曲がっているとトローリーが進む軌道がまっすぐいかず曲がってしまうためピッキングの最中にトローリーを何度も持ち上げて軌道修正をはからなければならなくなります。
これは女性には本当に重労働です。何度も泥にハマってトローリー懸命に押している女性を見ていると本当にかわいそうになります。基本的にこういったトラブルに合っている女性を見かけても誰も助けようとはしません。歩合はシビアです。数分遅れただけで畝を一つとれるかどうか明暗をわけるので人助けをして遅れをとるという事は皆絶対にしたくはないのです。
この仕事は本当にハードなので男性向きだとつくづく思います。
ピッキングの戦いは仕事開始2時間前から始まる
ピッキングは苺を速く取る事だけではなく、戦略的にいかに良い畝に入れるかが勝敗を分ける事になります。いい位置でピッキングを開始できるかどうかは仕事開始前の場所取りで8割方決まってしまいます。なので大体仕事開始のおよそ2時間前にまず扱いやすいトローリーを求めてトローリー争奪戦が繰り広げられ、その後畝の場所取り争奪戦が始まります。皆お互いにトローリーをぶつけながら必死の形相でベストポジションを狙って熾烈な戦いを早朝から繰り広げています。
だいたいどれくらい早朝からこの戦いが始まるかというと、だいたい私のファームはピッキングの開始が6時半なので、早朝4時半にはピッカーが集合場所に集まり熾烈な獲得競争を繰り広げるということです。
皆本気です。金欲しさにギラギラしている韓国人が多くて正直引いてしまいます。
勝つには戦略が必要
ピッキングはただ速く苺をトレーに収穫できればよいというわけではありません。速く苺を収穫できたところで素早く良い畝を確保できなかったら収穫量が減ってしまい、それが収入に反映してしまいます。ピッキングのスピードが速いというのはそもそも勝つ為には当たり前のスキルで、その上でどこの畝にどのタイミングで入るかを計算し尽くしてやっと上位のピッカーになれるのです。
成績上位のピッカーは動きが一貫しています。この畝の長さがどれくらいだからピッキングに要する時間はこれくらいで、そうすると終ったピッカーが次の畝に向かって移動し始めるから人が少ないこのルートを通って一番苺が良く取れる場所を確保するというように効率性を重視し一貫した戦略を貫いています。
さてではこの戦略はどういった目標に基づいているかというと、一番良く苺が取れる畝を確保することと、出来るだけたくさんの畝を確保するということです。
速いピッカーは苺の見落としが割と多いです。よくスーパバイザーに注意されているのを見かけますが、彼らは気には留めていません。なぜならより多くの畝を確保する事の方が見落とす可能性のある苺を葉がもっさり生えたプラントから時間をかけて探し出すよりも確率的に多くの苺を取れる事を知っているからです。
彼らに聞くと解雇される可能性がないのであればピッキングは7割の完成度でとにかくスピード重視で突き進むということでした。
もしこれから歩合でピッキングの仕事をするという人がいれば、"できるだけ多くの畝を確保する"ことを目標に戦略を練ってみてはどうでしょうか。
まとめ
さてそんな私もピッキングをやっておりますが、先日ちょうど成績が発表され努力の甲斐あってかなんとかベスト10入りを果たしました。戦略的に考えた末の結果だと思います。また良い畝をとることを優先したことが結果につながったのだと思います。ピッキングはある意味戦争です。勝つ為に様々な戦略を練り実践しましょう。時にはずる賢く、フェアじゃない立ち回りをしても良いと思います。多少バレない程度に他人の畝の苺を拝借するとか、良いコンディションのトローリーをどこかに隠すとか、歩合は結果にこだわる事が重要だと私は思います。
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