メルボルンにて一日6件の問い合わせがあったシェアメイト募集広告の書き方を公開する。

  

シェアハウスの入居者を募集する方法はインターネット以外でも、知り合いを引っ張って来たり、バックパッカーやスーパーマーケットの掲示版での募集方法があるが、今回は一番簡単なインターネットでの募集方法について解説しようと思う。

シェアハウスの入居者募集記事を投稿するにあたって一番意識しなければならない事は入居希望者の同意を取り付け契約書にサインを書かせてボンドを支払ってもらう事だ。

特に部屋を誰かに引き継いでもらうにあたって正式な書類上のやり取りが無い場合でも、考え方は同じだ。自分の部屋を引き継いでくれる入居者を獲得して入居する事に同意してもらいボンドを支払わせる。これも契約だと考えてほしい。

これは一種の営業活動だと理解して取り組まないと、なかなかインスペクションの予約が入らなかったり、インスペクションが来ても逃げられてしまい、なかなか契約がまとまらないといった自体に陥ることになる。

まず広告を記事を作成し記事を投稿する前に確認しなければならないのが期間だ。



退去日をできれば2ヶ月前、遅くても一ヶ月前に決め、ハウスオーナーに申告する。

1,2ヶ月しかシェアハウスに滞在しない人は契約してすぐに退去を申告しなければならないが、長期にわたってシェアハウスを借りている人は、余裕を持ってシェアハウスオーナーに申告するべし。できれば2ヶ月前が望ましい。自分が決めた退去日を切羽詰まってギリギリにハウスオーナーに申告すると早晩トラブルが起きる可能性が高い。こういう足枷は早めに取り払って入居者募集に集中するのが得策だ。

退去日を早めに設定するのは、ハウスオーナーとのトラブルを避ける理由もあるが、一番重要な理由は次の入居者を探す為の期間を設定するということだ。

どんなに良い条件で好立地であってもそう簡単に入居者は見つからない。日豪プレスでもGumtreeでも実際に広告が掲示版上に反映されてから多くの人が関心を寄せるまでタイムラグがある。広告閲覧者は一回閲覧しただけでは気にも留めないだろう。何回も広告を閲覧して様々な比較検討をし行動に移す。

人は誰でも購買を決断するまでに7段階の心理変化がある。注意 → 興味 → 連想 → 欲望 → 比較 → 確信 → 決断

7段階の心理変化を経る過程で、広告出稿者に電話をかける、メールを送るといった行動は購買における比較段階だろう。まだ契約は意識していない。広告閲覧者がこの比較という心理変化に要する期間は経験上3週間から4週間だ。

ここから確信や決断に至る入居希望者が現れるまで数週間かかる場合がある。インスペクションのドタキャンや契約直前のキャンセル、契約直後に行方をくらますといったことを運が悪ければ役役乗り越えて行かなければならない。その為の期間が2ヶ月ということだ。



広告閲覧者の心理を知り、的確な募集記事を書く

まずシェアハウスを探している人は例外無く物件を探すにあたって焦りと不安を募らせている。焦りと不安という感情は、決して物事を楽観的に考えさせてはくれない。強調しすぎるメリットを懐疑的に思う傾向があるのだ。多くの入居希望者にとって一番知りたいのはシェアハウスが抱えるデメリットと広告主でははなく第三者による中立的な情報だ。

また一回契約したら入居期間に縛りがあるのを知っているため、なおさらシビアになって比較検討を繰り返す。

だからメリットだけをひたすら強調した広告や、射幸心を煽る広告などは、広告出稿者側の早く入居者を見つけたいと言う心理を見透かされて、広告の閲覧数が増えるだけで一向にインスペクションの問い合わせが来ないと言う自体になりうる。仮に入居希望者がインスペクションに来たとしてもなかなか契約にはこぎ着ける事は難しいだろう。

では具体的にどのように広告を書くべきかと言うと、条件、デメリット、メリットを強調せずに淡々と書くことだ

自分の思い入れのあるシェアハウスだとつい感情移入した書き方になってしまったり、必要以上にメリットを大きく見せてしまいがちになるが、入居希望者が求めているのは第3者から見た"正確な物件情報"である。

情報は隈無く正確に正直に記載する事が重要だ。シェアハウスの写真はハウスオーナーからシェアハウスがまだ新しかった時の写真を拝借して広告に載せてはならない。現状のシェアハウスの写真を提示しないとまず信じてはくれないだろう。

入居希望者の決断はかなり揺らぎやすく、少しでも疑いの余地があると判断すれば全ての決断を覆す。広告の内容を信用させるには正直に情報を隈無く記載し、特に強調せずにデメリット、メリットを書くと言う事である。



これが一日6件のインスペクションの問い合わせがあった広告文だ。



これはGumtreeに載せた広告だが、タイトルにもある通り一日6回の電話での問い合わせがあった広告文の一部だ(個人情報は省いた。)

広告の内容は淡々と項目別に必要な情報を記載している。下手な煽り文句はいらない。

デメリットはさりげなくSingle roomの欄に書いた。部屋に机はあるが椅子が無い事、エアコンが無い事、ベットはマットレスのみだということ、そして掛け布団はあるが前居住者の試用した物だと言う事。

家賃、物件情報、ファシリティー(部屋、バスルーム、リビングルーム、キッチン、ダイニングルーム、洗濯室、庭)、立地、ルームメイト、コンタクトナンバーは等の項目は、僕が滞在していたシェアハウスを管理しているサードパーティーの不動産エージェントがハウスオーナーと契約を交わし初めて入居者を募集する時に広告に出稿した情報だ。

だから項目通りに情報を記載して行けば網羅的にシェアハウスの情報を記載する事が出来る

項目をこの順番で書いたのは、問い合わせの反応が一番良かったからだ。色々試してこの項目順になった広告を掲載する際には是非参考にしてほしい



タイトルの書き方

掲示版や情報サイトにリストアップされている物件情報を見る時一番最初に視覚に飛び込んで来るのはタイトルだ。タイトルに一番関心のある情報を記載していなければ見向きもされない。しかし難しく考える必要は無い。要点を抑えれば誰でも簡単に書く事が出来る。タイトルに記載する情報は以下の3つだ

家の特徴

家のロケーション

家賃

この3つの要素を簡潔な言葉でタイトルに書く。 広告閲覧者が自分の広告のタイトルに目を止めるのはほんの数秒だ。その間に広告文のページを開くかどうかを決断する。だから簡潔に一番関心のある情報だけを記載するのだ。以下が僕が書いた広告のタイトルだ

CHEAP FURNISHED ROOM/ HOUSE IN NOTTING HILL/ CLAYTON ($97 WEEK)

家具付きの部屋/家 ノッティングヒル/クレイトン(週97ドル)

簡潔すぎると思われるかもしれないが、ほとんどの広告出稿者はキャッチーな誘い文句で広告を開かせようとするため、逆に簡素なタイトルが目立つようになる。この物件は何なんだろう? と疑問と興味を抱かせる事になると思う。

契約させる方法

最後にインスペクションからシェアハウス契約締結までもっていく方法を紹介しようと思う。

まず入居希望者はインスペクションに来たその日にもう借りるか借りないの結論を出しているということを前提としてほしい。入居希望者はインスペクションしに来るまでにシェアハウスへの道のり、シェアハウス周辺の利便性を観察して既に半分の評価を下している。そしてインスペクションでは広告に記載のあった情報通りかを隈無くチェックすると思われるだろうが、意外にも入居の決め手は直感だったりする。

そのため今日、若しくは後日改めて連絡すると言った先延ばしの決断は断る為の社交辞令だと考えた方がいい。後で電話して来ると言った人の8割は結局電話してこなかったし、残りの2割は断って来た。

借りると決断する人の特徴はインスペクションに来てすぐ細かい部分をチェックする人だ。自分の中で借りると言う確信を得たい為に隈無く家の中をチェックしたり、細かい質問を繰り返したりする。しかし決断はしたものの心の中では不安が渦巻いている"この物件で本当に大丈夫だろうか。"とそこで入居希望者の優柔不断を断ち切る言葉を教えよう

決断は今日中にお願いします。インスペクション待ちがすでに○○人いますので

もしくは

今日入居を決断されれば、予定に入っているインスペクションの予約を全て断ります

相手の焦燥感を煽り立てて汚いと思うかもしれないが、こうしないと入居探しに散々悩まされ続けて来た人の雑念を振り払うことはできない。

そしてその場で必要書類に必要事項を書かせてサインを貰いクロージングしてしまう。

書類を書かせる際にボンド全額か前金を支払ってもらい入居の保証も同時に行う。これでキャンセルされる確率は格段に減る。

問題はインスペクションしに来た人がボンドのお金を持ち合わせていない場合だが、これは考える時間を与えてしまうため決断を覆す可能性が高い。契約をさせるためには、定期的に連絡を取り合ってシェアアウス全般に限らず生活に関することやシェアメイトに関する事などプライベートな情報も開示して相手の決断を揺るがさないように質疑に答える姿勢を貫く事だ。

これでも音信不通になる場合はあるし、そもそも実はお金を持っていたけれども契約段階で気持ちの変化が起きて決断を覆してしまう場合がある。

そもそも論になるが、契約締結にこぎ着けるにはインスペクションの数を多くして確率を上げる必要がある。インスペクションの予約を多く取る事が契約を勝ち取る上での前提条件になる。ここを忘れないでほしい。



最後に

シェアハウスの借り手を募集するのは本当にたいへんだ。入居希望者は今まで会った事も無い人と生活をともにするのだ。決断に揺らぎが出るのは当たり前だ。だからあなたはメール、電話からインスペクションで入居希望者とのコミュニケーションを通していかに相手の悩みを解決して親身になれるかが契約に至る鍵になる。是非頑張ってシェアメイトを探して欲しいと思う。

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